関西大学経済学会

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第2回研究会のお知らせ〔5月8日(水)17:00~〕

会 員 各 位

春もたけなわの頃となりました。
皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

さて下記の内容で第2回研究会を開催いたしますので、皆様、奮ってご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

 

日 時: 5月8日(水) 17:00~19:00
場 所: C302教室(第2学舎2号館 3F)
報告者:
宗村 敦子 氏 (京都大学アフリカ地域研究資料センター特任研究員)
タイトル:
「戦間期の労働集約型工業化直前の南アフリカ初期製造業の市場
 南半球Fed-Farmsの農産物先物取引システムの成立 1921年〜1923年」
 
<要 旨>
 アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国における後発工業化の事例研究は、杉原薫 = G・オースティンによる「労働集約型工業化論」論の発表以降も継続的に関心を集めてきた。経済史では、ヨーロッパにおける工業化とは別にアジアでは人口豊富という利点を活かした特殊な産業の発展過程があったという点が強調されてきた。さらにアフリカ研究では、西アフリカの事例を挙げたG・オースティンが人口希少、土地豊富というアジアとは異なる前提で議論を呼び起こした。本研究でも、「土地・資源豊富、人口希少」型の労働集約型工業化はアフリカではいつ起きたのかを論じる。
 発表者は南アフリカの事例で、アジアと同様の生産体制の特徴を持った初期製造業の缶詰産業を取り上げる。この事例は戦間期、同産業で日本と競争的な関係にあり、「低廉な労働力」を大きく評価されていた。本報告では、特にその販売市場に焦点をあて、労働集約型工業化研究において植民地期の経済史で看過されてきた農産物加工産品の流通経路について実証的に論じる。
以 上